君と2人

そんなわけで‥‥。
テストが終わるまで稽古は一旦頭の外に。

点数を取らなければ演劇どころか学園にいられなくなる。

(トップスリー‥‥。)


幸い元から理解力は高いおかげで授業の内容は殆ど頭の中に入っている。
数学や化学は基礎が出来ているならそれほど苦労しない科目だ。

一方、世界史や国語はと言うと。
暗記するしかない世界史と、心情や表現を考えなければならない国語。
特に国語の範囲には私の苦手な漢文がある。

(漢文が一番の難問かも。)



目の前の漢文のプリントが私のやる気を削いでいく気がする。

(やるしかない、んだけどさ。)



苦手なものを後回しにすると、よりやる気がなくなることを知っている。
頑張るしかない。



(よし!)


私は漢文のプリントを片手に国語に取り組み始めた‥‥。



* * *

「漢文?」


翌朝、下駄箱で会った薫先輩に顔色を指摘され事の経緯を説明した。

苦手な漢文に取り組んでいたらいつの間にか深夜3時だったこと。
そのせいで殆ど眠れていないこと。

聞いた薫先輩は驚いていた。


「睦月にも苦手科目あったんだね。」

「人を超人呼ばわりしないでください。」



苦手科目くらい、私にもある。


「今回何をやるの?」

「杜甫の春望です。」

「ああ、あれか。先生は誰?」

「永山先生ですね。」


「去年のそこの範囲の問題と解答あるけど‥‥使う?僕自身も漢文得意だから教えてあげられるけど。」

「本当ですか?」

「勿論。」



笑った先輩にうっかり意識を持っていかれてしまったのは秘密。


放課後から薫先輩と漢文の勉強をすることとなった。