君と2人

定期公演の前にある大きな壁‥‥。
学生なら避けては通れない壁だ。


「再来週から定期試験だからなー。勉強しろよー。」



担任の言葉と黒板に貼られた日程表。


クラス中からブーイングが起こるが、担任はどこ吹く風という感じで。

あっさり教室をあとにした。


* * *

「定期試験だってねぇ‥‥。」

机の上、肘をついた伊織が物憂げに呟く。

「まぁまぁ‥‥。避けては通れないんだよ、頑張ろ?」

「わかってるけど。」


むぅむぅ言いながら伊織が手帳を取り出す。

そこには既にテストの日程が書かれていた。


「初日から世界史と化学っておかしいよねぇ。」

「確かに。」


5月の始め、4日間の日程で行われる前期中間試験。
特待生である私は学年上位3位に入らなければならない。

(勉強しよ‥‥。)


特待生の条件は上位3位以内をキープすること。
4位以下の場合は追試を行い、挽回出来なければ退学になってしまう。

(退学だけは勘弁。)



やっと入った学校で入学早々退学なんて出来ない。


(勉強すれば済む話。)



私はテキスト類を鞄に詰め込んだ。