君と2人

「確かにそうだが‥‥。」

如月先輩は何かを考え込み、そして笑った。

「王子はお前だ。任せる。」

「はい!」


頑張らなければ。


薫先輩や氷音の足を引っ張りたくない。
ただでさえ初心者なのだから。


分からないところはアドバイスも貰えるし。
きっと大丈夫。


* * *

「睦月、そこさ‥‥」

放課後、部活のない日でも私は1人自主錬に打ち込んでいた。
たまに薫先輩や氷音が来てアドバイスをくれた。


「サ行の発音が怪しいから、もう少しはっきり言えた方がいい。」

「はい。」



声量や滑舌について薫先輩はよくアドバイスをくれた。

氷音は乙女ゲームを大量に持ち込んで王子様とはについて教えて‥‥もとい、語ってくれた。


役作りの為に髪の毛を切り、如月先輩がどこからか指定の男子制服をもってきたのでそれを着て学校に通っている。

制服は指定のものであれば男女問わない、という謎の緩さのもと、着々と私は王子に向けて歩いていた。



定期公演までもう少し。

誰かの心に届かせたい。