君と2人

演技は大好きだ。
違う人になれる。

天才にも努力家にもなれる。
舞台の上でなら私は何にでもなれる。

だから演技することが大好きだし、出来る環境にいるということは幸せなことなのだろう。


けれどそれが観客に見せるとなると話は別。

見ている人の心に届かなければ意味がない。



(幸せを願って身を引く王子の役。)


恋をしたことがない私には難しい。
相手の幸せなんて願えない。

私が幸せにしたいから。


(できないんだよね‥‥。)

好きな人は別の人‥‥薫先輩演じる王子と結ばれるのだ。

ヒロインは私のものにはならない。


(どんな気持ち?ありきたりじゃつまらない。)


どんな気持ちで相手の幸せを願ったのだろう。
王子にとってヒロインはどんな存在だったのだろう。


‥‥王子にとってのヒロインは、私にとっての誰なんだろう。