君と2人

家に帰るとすぐに台本の読み込みを始めた。

自分のセリフにラインを引き、表情や気持ちを書き込む。



演技をするということは1人ではいけないということ。
私の演技が薫先輩や氷音の足を引っ張ってはいけない。


(王子の気持ち‥‥。)

それがつかめなければきっとこの役は私には出来ない。


「でも。」

それより先に基礎から始めなければ。





図書館で借りてきた演劇や演技に関する本に手あたりしだい付箋を貼る。

余り貸し出しのない本で、暫く借りてていいわよ、と許可を貰っている。


付箋を貼りながらどうすれば演技が上手くなるか考えた。


(客席に声が届かなきゃ意味がない。)

まずは声出し。
腹式呼吸を少しずつ練習しよう。


(それから動き‥‥。)

セリフ、心情に合った身振り手振り。
声だけでは演技にならないと思う。


(セリフの暗記、か。)

これが1番大切。
流暢に、その役らしく。

今回は王子らしく。



(引き受けたけど‥‥私に出来るのかな。)