君と2人

放課後に私は再び旧校舎を訪れた。

(ドア開いてる。)

勿論昨日もらった台本を持って。


「あのー‥‥。」


中に入ると既に薫先輩が声出しをしていた。


「あーー‥‥‥‥って睦月。」

私に気付くとひらひらと手を振って手招きする。


「こんにちは。」

「こんにちは。」


同じ挨拶を返されて面食らう。
どうしたものか。


「如月先輩はまだ来てないんですか?」

「うん、あいつはいつも最後。次に来るのは‥‥、」


そこまで言ったところで私は突然の衝撃に襲われる。


「むっちゃん!」

「え‥‥氷音!?」



私をむっちゃんと呼ぶのはこの世でただ1人だけ。

一つ年上で幼馴染みの氷音だけだ。



「演劇部入ったんだって?今日から後輩だねぇ!」

テンション高く私の手を取ってくるくる回る氷音についていけない。

チラリと薫先輩を見ると呆気にとられた顔をしていた。



‥‥回ること5分。
酔った氷音がダウンしたせいでくるくる回転は終わった。



「結城ちゃん、知り合い?」

薫先輩は氷音が回復するのを待ってから話しかけた。


「幼馴染みだよ。」


「‥‥あぁ。」


何かに納得したような反応。
間があったが。



(またこれか‥‥。)

何かを、隠している?
隠しているとしたら…何を隠しているんだ?