俺が予習を終え、部屋から出てくると塾長に呼び止められた。 「結城くん、ちょっといいかな?」 「はい?」 「今日君の担当の子、熱出したから今日帰っていいよ。」 「はい?」 「ごめんね。一日その子担当だったもんね。だから今日は仕事がないんだ。」 せっかく来たのに… ため息が漏れる。 あーついてない。 俺が働いてる塾は個人指導。 まんつーまん。 だから生徒が休んだら、仕事がない。 そして今は悪魔の夏期講習。 一日付きっ切りだってあり得るこの状況。 俺は…一日暇をもてあますことになった。