整った顔立ちに、さらりと揺れる

セミロングの黒髪。



その姿は、この学園の女子生徒とは全く違った。




この学園の女子生徒たちは毎朝、

専属の美容師にメイクをさせ、爪を磨く。

そして、髪には華やかな飾り。


そんな女子生徒たちと比べれば、

ぱっとみ彼女の見た目は、少し地味に見

える。





だが・・・



決意を秘めた勇敢な瞳と

しっかりと前を向いて歩く彼女の姿を

僕は、美しいと思った。



自分を飾っていた女子生徒が、霞んで

見えてしまうほどに。








いつまでもこの記憶を忘れられないのは、

あのときから、僕が少しだけ彼女に心を奪

われているからかもしれない――――