「母上、もうここも危険です。逃げてください!!」
「…ねぇ、カイル。あなたは絶対にセレルナを守り抜く自信はある?」
王妃の真剣な表情に、その場の雰囲気がガラリと変わった。
「…ふっ勿論ありますよ。大切な妹は命をかけてでも守り抜きますよ」
青年は笑みを浮かべて真剣に答えた。
「…合格ね。カイル、どうかセレルナをお願い…。」
王妃は青年に向けて深々とお辞儀した。
「でもね、自分の命を粗末に扱わないで。セレルナを守るのは勿論だけど、自分の命も大切にしなさい。あなただって、私の息子よ。後悔しないで」
「…っはい」
「(お母様、私には別れの挨拶みたいに思えてきちゃったよ)」

