「これも、もうあなたのものになるわね」 そう言ってティアラを外し、王女の手の平にそっと乗せた。 「これは…っ」 ティアラは本来、王位が次へ移る時に渡されるものである。 「お母様!私…っまだ12歳ですよ!!」 「分かっていますよ」 「では…っ何故!?」 姫君は叫んだ。 「この国はもう、長くないかもしれないわ」 そう呟いた王妃のアイスブルーの瞳は、哀愁を帯びている。 それを見た王女は、表情を曇らせた。