「…本当ですか」 「本当だよ」 「あ…ありがとうございます」 二人はまだ疑っているが、少年はそのまま歩いていく。 しばらく歩くと、危険ではない裏路地についていた。 「ここなら安全だよ」 「ありがとう」 助かったが、ここまで来てしまうと、セレルナはこの少年の記憶を消さなければならなくなってくる。 「ごめんなさい」 「え?」 「ありがとう、なんだけどね。あなたに私の記憶が残ると困ったことになるの。だから…。」 「姫様?」 「…記憶を消すって事だよね?」 「ごめんなさい」