「拓也、体育会来るみたいだね。」 「うん!だから、私頑張る。」 お弁当をしまいながら、凜が元気いっぱいに答える。 凜がお弁当から目を離し、顔をあげると表情を曇らせた。 私は凜の視線の先を見てみると、そこには功先輩が居た。 功先輩もきまずそうだった。 凜が「最悪。」と小さな声でつぶやいた。 「あのさ。」 先輩が凜に近づきながら、話しかける。 「何ですか?」 凜の声かと疑うくらいの冷たい声。 普段の優しくて明るい凜からは想像できない声だった。