"黒い影"は、白の避けていた『猫』だった。 猫は艶のある黒い毛に、蒼い目をしていて。 その姿は、家にいた頃鏡の中で見た、自分の姿に似ていた。 お母さんが教えてくれた、自分を映すとゆう鏡の中にいた自分に。 そこに立ちすくんだまま、両者はしばらく動かずにいた。 そしてしばらく経った後、やがて黒猫が口を開いた。 「最近この辺をうろついてるってのはお前か?」 白はびくっとし、たじろいだ。 そう、この辺をうろついてるのは僕だ。 何か悪いことでもあるのかな…。