黒、もとい、白は、街へおりて色々な場所を転々としていた。




いい匂いがする時にはその近くへ寄ってって、優しい人達に美味しいご飯が貰えたり、またある時には捨てられたお弁当を食べたりもした。


誰も小さな白猫に、危害を加えようとはしなかった。




白は街に来てから、「白ちゃん」と呼ばれ、道行く人に親しまれるようになった。


色んな人に優しくしてもらえて、白は、あぁ幸せだと満足してしまうようになった。




本当に求めたものは?




ただ白は、人に優しくされるだけで幸せだった。


白色に溺れていた。