雪と離れて黒はずっと歩き続けた。




そっか。


黒でいいんだ。




「僕は黒なんだ!」


黒は初めてそう、口にした。




自分は黒。


黒は自分。


悪いことなんかないんだ。




"自分らしく"




黒は今までにないくらい、幸せな気持ちで満たされていた。




だけど…


だけど。




本当にそうなのだろうか?


それならば、どうして?




どうして。


僕は捨てられたの?




僕の、何が悪かったの。




本当ってなんだろう。


どれも真実。




けれど、


矛盾が生じてくんだ。