「音羽!!」

「ちょ、お兄ちゃんたち離してよ
ほら、慶太も早く入って」


玄関に足を踏み入れた途端に感じる、俺を値踏みするような視線。


「は、はじめまして…
音羽さんとお付き合いさせて頂いてます…」


頭を下げて挨拶すると、その視線が少し和らいだようにも感じた。


「あら慶太くん、久しぶり〜」


奧から顔を出した音羽の母親にも頭を下げた。


「もうそんなところに突っ立ってないで早くいらっしゃいな」


音羽の母親に急かされて、奥に入ると父親がソファで寛いでいた。


「あれ、お父さんもいたの?」

「当たり前だろう」