「フラれ、ちゃったぁ……」 音羽は目元を真っ赤にして俯いたまま、ポツリと呟いた。 「ちゃんと、好きだったのに、フラれ、ちゃった」 「そっか」 「私が他の男の人と仲良くしてたら、俺のこと好きじゃないんだろって、そんなことないのにね」 「じゃあさ、俺にしといたら?」 音羽が微かに目を見開くのがわかった。 「俺ならそんな理由でフったりしないし」