「でね、優菜ったら先輩にあげるーなんて言いながら不器用なくせに頑張ってラッピングなんかしてるの」


高山さんがストローをくわえながら笑う。


「なにそれ優菜ちゃんピュアすぎる!」

「ね、爽香もそう思うでしょ?」


きゃっきゃと二人で盛り上がる女子。


「ね、佐野もやっぱり調理実習で作ったお菓子はラッピングしてもらいたい派?」


ポテトを摘んでいると、唐突にそんな質問が飛んでくる。


「ラッピングされてるに越したことは無いけど、俺は別になくても気にならないかな」


と当たり障りのない応えをすると、


「じゃあそんな君にはこれを差し上げよう」


なんて楽しそうな声とともに綺麗にラッピングされたクッキーが差し出された。