「優菜」 教室に先輩の声が響く。 「うわぁ、王子様って以外と甘いんだな」 隣から感心するような声が聞こえる。 「てっきりもっとクールなのかと思ってたわ それでも好きな人にはデレデレなツンデレタイプ?」 毎日迎えに来る先輩を見て楽しげにそう言う。 「…さぁな」 「こりゃもう勝ち目ねーな」 「うっせ」 俺の反応を見てケラケラ笑いながら、でも、と続ける。 「お前も何かアクションかけて見れば? 女子って意外と男っぽいやつ、好きだし」 にんまりと笑いながら言った。