1年の体育祭、俺は初めて彼女とまともに話をした。

クラスも違い、接点のなかった俺達は初めて彼女本人と話をして、思ってた人と違う。そう思った。








〜〜〜


「ったたたた……」

「うわ、佐野くん大丈夫?」

「まぁリレーであんだけ派手にこけりゃそうなるわな」

「お前は凄かったぞー、まるで漫画だったからな」


クラスメイトに笑われながら、血の出た膝小僧をさする。


……痛い。


「お前らちょっとは怪我人をいたわれよな!」

「そんだけ元気あれば充分だろーが」

「騒ぐ余力があるなら本部まで自力で歩いて治療してもらってこい!」


クラスメイトたちに見送られ……といっても半分追いやられだが、本部に向かう。