「ふふふっ

はぁ、それで、なんで私のこと知ったの?

大会にも出てないのに」



いや、むしろ空手もやってないけど。



「廊下で3年生の先輩達と喧嘩?してるの見ちゃって」


ごめんなさい、といいながらこっちの様子を窺う梨緒。


あぁ、そんな事もあったなぁ。


「そっかそっか」

「はい、それで強さの秘訣とか聞きたくて」


やっと本題に入ったのか、鼻息を荒らげてこちらを食い入るように見つめながら語り出す梨緒。


「秘訣というか……
守りたい人がいるの」

「守りたい人?」

「そう、私の友達
すっごい可愛くてね」


優菜は綺麗すぎるくらいに心が純粋だから。

優菜を傷つける人は、許さない。