「お、音羽ちゃん!」

「優菜どうしたの、そんなに慌てて」


私の親友は、すごくかわいい。
顔が、じゃなくて雰囲気が。


顔も可愛いけど、それ以上に雰囲気が可愛い。

優菜はいつもふわっとしてて、例えるならまるで子犬。

たまに耳と尻尾が見える時もある。


「その、お、奥村先輩がかっこよすぎて大変!」


そしてたまにすごく抜けている。


「奥村先輩って優菜の好きな人?」

「そう!」

「優菜、あの人はやめときなよ」

「なんで?」


あぁもう!
そんな泣きそうな顔で見ないでよ……


「それは……その……」

「うん?」


はうっ、これはだめだ。
私からは言えそうにない……


「おーとはっどうしたの?」

「あっ!えっと、爽香-サヤカ-ちゃん?」

「やだぁ優菜ちゃん可愛いー!
もうぎゅーってしちゃう!」


幼なじみの爽香。
なぜか私がこの高校に行くと言ったら付いてきた。