「ミケのジィちゃーん、僕だよ、ロクベルだよ」

呼んでみる。

「おーーーい」

見渡す限り肌色の砂で覆われた広い公園で思いっきり叫んでみる。

昔はこんなに大声出したら子供たちが僕にまとわりついてきたけど、今はそんなことはない。僕だって子供なのに、なんで子供たちは僕だけにまとわりつくのかな?

子供たちは毛も僕みたいに生えてないし、尻尾もないし、耳は横についている。

なぜだろう?
もしかして彼らはもう大人なのかな?

でもミケのジィちゃんが、大人は僕のお母さんみたいに、少しシワがあって、20年以上生きている人なんだと教えてくれた。

彼らはそうは見えない。




うーん。
あ、わかった。

全部移り変わったら、僕は一回死んじゃって、
その後生まれ変わったら尻尾もないしヒゲもないし、毛もないツルッツルの子供になれるのか。彼らは一回死んでから生き返ったんだ。