放課後になった。


「かーずさっ。帰ろ!」

「あ、うん」


いつも通り、唯と学校を出る。


「なんか今日の和咲、上の空?」

「えっ...?」

「なんか、ずーっと別のこと考えてるみたい。何かあったの?」


...唯って意外と鋭いな...。


「まさか、恋しちゃった、とか!?」

「それはない!断じてないから!」

「えぇー、残念」


唯は、なんでそんなに恋して欲しいんだろう。
一緒に恋バナがしたいとか、そういうことなんだろうけど。

それより、真白は今どうしてるかな。
もう家に帰ってるかな、それとも、どこかをフラフラしてるかも。

寂しそうにしてたし、出来るだけ早く帰ってあげたい。


「じゃあね、唯!」

「うん、またねー、和咲!」


分かれ道で唯と別れたあと、私は歩くスピードを速めた。

そして、家につき、ドアを開けた。


「ただいま」

「あっ、おかえりなさい!」


真白はパタパタと走って出てきた。
いい子にお留守番してたんだ。