しかし、一向に誰も出てくる気配はなかった。 まさかね。 寝てんだろ。 腕時計を見る。 一時十二分。 もう帰るか。 司は目を閉じた。 神経を少し研ぎ澄ます。 大きく息を吸った。 次の瞬間に咳き込む。 今のは紛れもなく血の匂いだった。