「あんたといると……、また前みたいな俺に、戻れそうな気がするんだ」 わたしをまっすぐ見つめて、切なそうに眉をさげる。 ねぇ、わたしには昔の透亜くんなんてわからないよ。 だけど、それは……わたしを少しでもとくべつに見てくれいるってこと……? 悲しい話をしているのに、こころは裏腹に浮ついた気持ちになる。 「透亜くん…っ!」 「いままで、ごめんな」 そういって、彼はわたしを優しく引き寄せた。