「………とっ…あ、くん」


唇をそっとはなした後、透亜くんはわたしのおでこにコツン、と自分のおでこを重ねて


「聞いて欲しいんだ」


静かにそういった。


聞いて、ほしい…?なにをだろう。いつもポーカーフェイスの透亜くんが切なそうな顔でわたしを見つめる


「………うん」


なにを?って聞きたかったけれど、わたしを見つめる透亜くんの目が、なんだかすごく悲しくて


ただ頷くことしかできなかった。



「……俺さ…、中学のとき好きなやつがいたんだ」


そう切り出した彼のこえは、少し震えていて