人混みの向こうから、透亜くんが走ってきたのは。 「…っはぁ……っはぁ」 息を切らしながらわたしを見つけると、少しはしるスピードをゆるめる。 「もう…帰ったかと思った」 そう言いながら、そばにきた彼は自分のマフラーをとってわたしの首にそっと巻いた。 「ごめんな…、またせて」 「ううん…。大丈夫だよ」 うそだよ、本当は大丈夫なんかじゃなかった。