そういった透亜くんの顔はすこし切なさを帯びていて 「わたしは、ずっと透亜くんのことをすきだよ」 たちどまって、そんなことをいった。 「……だと、いいな」 かえってきた言葉は、すごく小さくて本当に透亜くんが言ったのかすら確かじゃなくて。 わたしの都合のいい妄想かもしれない、と思うほど、それは小さな小さな声だった。