大和くんが廊下をまがって、見えなくなったとき 水野くんが抱き寄せるチカラをゆるめた。 「えっ、あの、水野くん」 「…泣きやんだ?」 そういって、少しかがんでからわたしの顔をのぞく。 「……?うん」 わけがわからず頷くと、水野くんはわたしのあたまをポン、と触りスタスタ歩いて行ってしまった。