「まっ、まってよ水野くん。」


いつもみたいに、また小走りで彼をおいかける。


水野くんは、いつもみたいな無表情に戻っていて、本当にさっきのは夢だったんじゃないか…と思う。



「どうして…、キスしたの?」


だから聞いてみたんだ、ほんのすこしの可能性にかけてみたんだ。


「……きま、」


「気まぐれ、とかいわせないからね」


「……チッ、お前が…変なこと言いそうだったから」


へんなこと…?


それは水野くんはもしかしてわたしをすきなのかってこと