「なんっ、なの。ひどいよ、そんな言い方しなくてもいいじゃない!」


気持ちをおさえてだしたはずの声は教室のみんなの注目をあびるにはじゅうぶんな声量で


「な、なによ…苺々華ちゃんが悪いんじゃん」


となりでみかちゃんがなにかいっているけどそんなの聞こえなかった


「この前は…っ、あんなに優しかったのに、水野くんなんて…っもう」


走りだした言葉たちはわたしの意思とは関係なく次々に発せられる


「もうっ、水野くんを好きなのやめる!」


「……もうやだっ」


それだけ残して教室を出て行こうとした


だけどそれは誰かの声によってひきとめられる


「…まてよ」