「…やめれば」 ゴミ箱を蹴った彼は静かにそう言った。 その瞬間、まわりの声や音が消えて彼の声だけがわたしのあたまをぐるぐるまわる。 凄く、かっこいい。純粋にそうおもった やわらかそうな黒髪。 羨ましいくらい綺麗な肌。 長いまつげにふちどられた、切れ長のひとみ。 ひとつひとつ整った顔がシャープな輪郭におさまっている。