「もう優ちゃんとは会えん。」 優子の瞳が大きく開く。 「…たっちゃん?」 達也はゆっくりと向きをかえ、去って行った。 消えていく後ろ姿。 「たっちゃん!」 優子は必死で叫んだが、達也は振り向こうとはしなかった。 嫌じゃ…嫌じゃ…! 好きなん!愛しとる! たっちゃんは…違うんか? 優子の泣き声が森全体に響きわたり、風に乗って達也を追う。 耐えきれなくなった達也は足を止め、耳を塞いだ。