君は振り向かない





「真由ちゃん……」



「顔色悪い。もしかして、具合悪いんだ」



「やばい。俺、カッコ悪いね。すげー、恥ずかしいわ」



これで、ますます嫌われたな。



具合悪くて、しゃがみこんで動けないなんて男として終わってる。



くそっ。



すると、真由ちゃんが手をさしだしてきた。



「掴まって。保健室行こう」



「え?」



俺が固まっていると、真由ちゃんが俺の手を掴んできた。



小さな手で力強く、俺を支える。




ドクン



心臓が暴れ始めた。



これは、具合悪いからか?



それともー……