君は振り向かない




「真由ちゃん、待って!」



俺が真由ちゃんの腕をとる。



初めて触れた彼女の温もりに、心臓が高鳴る。



「やめて、放して」



すぐに手を振り払われた。



「あなたって、噂通り本当にチャラいのね。女の子を何だと思ってるの?」




真由ちゃんの声は少し震えていた。




「都合のいい玩具?私は本当にそういう人嫌い」




「………」




俺は何も言えなかった。



少し、図星の部分があるからか。






「大嫌い」



真由ちゃんの言葉がまた心をえぐってくるかのように、ズキズキと響く。




「何で?」



「女の子の心を弄んで、何が楽しいの?今後一切私にも話し掛けないで」



「それはやだ。真由ちゃんともっと話したい」



俺の言葉に、真由ちゃんはしかめっ面をした。


「何でこないだから私に構うの?やめて」



真由ちゃんの怒った顔を見ても、可愛くて仕方ない。