君は振り向かない




真由ちゃん、抱きしめたらどうな感じなんだろうな。



小さいから、ズボッと包み込んじゃいそうだ。



山本先輩を、抱きしめながら真由ちゃんのことを考えていた。



すると、足音が止まった音がした。





誰かに見られたのか、校庭で抱き締めるのは、まずかったか?



俺が足音のした方に目を向けると



そこにいたのは、なんと、




真由ちゃんだった。



驚いた顔でこちらを見ていた。



「あ、まゆっ …」



真由ちゃんと言い終わる前に、真由ちゃんは通りすぎて行った。