君は振り向かない




「頼斗、謝って」



真由ちゃんが、俺に冷たく言う。



その後ろで本田宏はニヤッと笑っていた。



「宏はバスケ部のキャプテンだよ。怪我したらどーするの?」



「机を蹴っただけ。本田が勝手に座り込んだ。本田には当たってない。信じるかは真由ちゃん次第、たぶん信じないよね。じゃあね」



俺はそう言って教室を出た。



苦しい。



こんなに苦しいなんて。




“頼斗を信じる”



嘘ばっかり、真由ちゃん。



真っ先に、元カレ本田宏を信じたじゃん。



疑いもせず。



本当に嬉しかったのに。真由ちゃんが俺のこと好きって言ってくれて。



信じるって言ってくれたことも。