真由ちゃんは、俺を通り過ぎて本田宏の元へと駆け寄った。 「宏、大丈夫?怪我は?」 真由ちゃんは本田宏の手を確認していた。 俺の心の中でグルグルと黒い渦が大きくなっていく。 「ちょっと痛むかな。頼斗君、勘弁してよー」 真由ちゃんは、俺が本田宏に暴力を振るったと思い込んでいるようで俺を睨んできた。 「頼斗、暴力は最低だよ」 その目は俺を軽蔑しているようだった。 ああ、やっぱり真由ちゃんは、俺じゃなく本田宏の言うことを信じるんだ。 俺じゃないよ、って言ってもきっと通じない。