君は振り向かない




「本田宏に、絡まれた」



「え……」



真由ちゃんは、下を向いてしまった。



「頼斗ごめんね。私のせいで。嫌な思いしたでしょ?」



真由ちゃんは苦笑いをした。



「あの人さ、いつまでも私があの人の手下みたいに思ってるの。散々言いように使われたからさ」



「真由ちゃん……」



「だから、私が頼斗とつき合ってるのが気に入らないのよ。自分のオモチャをとられたから」



真由ちゃんは、ますます俯く。



長い髪で、表情は見えないけどきっと、悲しい顔をしている。



「真由ちゃんはオモチャなんかじゃない」



俺の言葉に真由ちゃんは顔をあげる。