「紫音…」




紫音は向きを変えてスタスタと歩いていく。




やだよ、おいていかないで。

勝手に現れといて
そんな…


ひどいよ。




あんなに好きだったのに…



今でもこんなに苦しいのに…





紫音にとって私なんて

ただの思い出でさえもなかったんだ。