向こうはまだ気付いていないみたい。
なんか…
気づかれないのはちょっと嫌。
自分変だー!!!
(電車が停まります…)
あ…たくさん乗ってきた。
私の前にはひときわ荷物の多い人が。
…平日の朝からどこ行くんだろ。
私は席を譲るために立った。
「あ~ありがとう。」
おじさんはニコッと笑った。
私はペコッとして
なぜだかあいつを見た。
すると、
「ありがとうね~。」
「いえ。」
あいつもおばあちゃんに席を譲っていたんだ。
―パチッ
目が合った。
パッと反らしてまた見ると
また目が合った。
…な、なによー!!!
あいつは近寄って
私の耳元でささやいた。