「紫音くんが?」 私はうなずいた。 「なんだ。 てっきり櫻子ちゃんと付き合ってると思ってたよ」 「絶対ないです」 「紫音くん…大変だからね、」 大変? 「なにが大変なんですか?」 「…いや、 櫻子ちゃんは気にしなくて大丈夫。」 何かあるの? 私は重い雰囲気に苦しくなった。 「じゃあ帰りますね」 足早に病院を出た。