「こちらです」


俺は案内された病室に入った。





「一瀬くん…」




そこには
泣いたのか目を真っ赤にした湖東さんがいた。



「ごめん、俺…」






俺はなんとも言えなかった。






「…怖かった。」



「…うん、ごめん。」






「一瀬くん…助けて」

そう言った湖東さんは
華奢な肩を震わせて

ヒックヒックと泣いた。




「…」



俺はただ隣で背中をさすることしか
できなかった。