「…ほんとに?」
私は震える声で聞いた。
「…ほんとだよ。」
人が賑わう休み時間の廊下で
私たちは静かな空気に包まれる。
「櫻子、ごめんな。」
「私は別に…
紫音?」
私が返事しようとしたら
紫音は自分の教室へ向かっていた。
「紫音待って…っ」
「櫻子、授業始まるよ。」
そう言って香が私の教科書を持ってきてくれた。
「あ、ありがとう。」
次移動教室だった。
「紫音くんがどうかしたの?」
椿が心配そうに顔をのぞいてきた。
「いや…大丈夫!」
なんか恥ずかしくて言えないや。
それにしても
紫音が私のこと好きだったなんて…