濡れて肌にくっついているワイシャツを、ソウが脱ぎ捨てる。
私はなんとなく気まずくなって、ソウに背を向けた。
「あーあ、これぜってぇ明日くせぇよ」
「しょうがないよ、海水だもん」
「これ洗濯できる生地だっけなぁ」
「知らないし。いーじゃん、とりあえず冬服着てけば」
「あちぃじゃん」
「知らん」
着替え終わったらしいソウが、私の肩を叩いた。
私はリュックの中から大きめのビニール袋を取り出した。
「服、入れてきな」
「あんがと」
手早く水を切って、袋に制服やワイシャツを押し込むソウ。
なんだか必死なその姿を見て、思わず笑みがこぼれた。