家に帰ると、言っておいた通り、なのかは分からないけど騰蛇がいた。
今日は父さんも昼間からいるので、ご飯を食べてすぐに書斎へ行った。
「父さん」
「ああ、蒼空か。悪いね、ちょっと掃除をしていて…。ああ、騰蛇殿も一緒でしたか。すぐに支度いたします」
父さんはとっ散らかった部屋の一角に、なんとか私たちも座れるスペースを確保すると、お茶を片手にドカリと座った。
「まあまあ、騰蛇殿もどうぞ。蒼空、お茶は自分で注いでくれ。ついでに俺のも」
「それは誰の? 」
父さんの手に持たれているお茶をあごで示しながら聞いた。
「騰蛇殿のものだよ。だから俺のも」
「わかったっつーの」
私はてきぱきと2人分のお茶を注いだ。
そして湯呑みの1つを父さんに渡す。
「ありがとう。ところで騰蛇殿、いかがでしたか? 」
急に本題入っちゃうんだ…。
ま、早く終わるからいいんだけどさ。
「そうだな。1人か2人はまあまあな者がいたんだが、やはり蒼空には及ばぬ。できるのなら彼女に使役されたい」
「そうでしたか。蒼空、どうだい? 」
待って、急にふる?
「えっと、そうだなぁ…」
正直どっちでもいい。
騰蛇の好きなようにしたらいいと思う。
だって、私の決められることじゃないし。
「ま、騰蛇のいいようにしたらいいと思う」
やっぱり嘘はつけないわ、ごめん。
父さんはこめかみを手で押さえているけど、騰蛇はニヤリと笑って言った。
「よし、今日から俺の主人は尾崎蒼空、お前だ」
「任された! 」
とりあえず、やってみよう!

