露天風呂はヒノキでできた湯船だった。 乳白色のお湯は、私を心地よく包み込んでくれた。 特に意味もなく、何度もお湯をすくってみる。 さらさらしたお湯は私の指の間を伝って、こぼれていった。 空を見上げると、まばらに星が見えた。 さそり座もかろうじて見える。 黒い空に昇っていく、白い湯気。 まるで星は天まで昇りきった、湯気のよう。 程よく温まったところで、湯船のふちに足をかけた。