まずはきちんと2人にだけでもお礼を言わなきゃと口を開いた私を、よく通る低音ボイスが遮った。


「腹減ったから、何か作って」


「へっ……?」


遮ったのはいつの間にか2階に来ていた京極君で、隣には郡司君もいる。


「キッチンの冷蔵庫に、材料はあるから」


「えっ?ちょっと待って…もしかしてFleurって、今日からなんですか!?」


「ハァ?当たり前だろう。何言ってんだ?お前」


ジロッと上から私を睨む京極君は本当にお腹が空いているのか、不機嫌そう。


「なぁなぁ月見里。オレも腹減ったんだけど――――…」