月光の面子が、何事かと群がってる野次馬を散らして俺たちは車に向かう。
「那月……」
愛おしそうに、心の奥に秘めてる怒りを隠して那月の額にキスを落とした洸。
那月に特に目立った外傷はない。
服の下は病院に着いてから見てもらうしかないけど。
車で30分の所にある総合病院は、洸の知り合いが医者でいる為よく利用している。
顔馴染みの病院だ。
「おー餓鬼共。今回はどうしたんだぁ?
またなんかやらかしたのか?
つか、てめーらピンピンじゃねぇか。
帰れ帰れ。俺の仕事増やすなよ」
事前に連絡していたからか入り口に出迎えてくれた、この医師としてどうかと思う発言を連発する男。
「賢、こいつを見てくれ。頼む。」
「………まさかお前が俺に頼み事するとはなぁ。
そんなにこの嬢ちゃんが大事か。」
「当たり前だ。
こいつの為なら死んでも良い。」
「んじゃ、どうしてこの嬢ちゃんが眠ってんのか説明してもらおうか。
一先ず診察室行くぞー。」
賢さんはまさか洸が那月を抱えたまま頭を下げてお願いするとは思ってなかったらしい。
相変わらずユルいけど、腕は確かだ。


